Column 豊かさを彩るフォレストガーデン

2023.12.26

「どう暮らすか」が大事

「どう暮らすか」が大事

前回のブログでは家づくりへの向き合い方、マインドについてお伝えしました。

▶︎住まいと幸福

大前提として、耐震性能を上げて生涯安心して生活できるようにしたり、断熱性能・気密性能・空調管理や湿度コントロールなどを徹底して、いつでも快適で健康的に過ごせる空間をつくるのは外せません。

しかし、それらはいわばハード(躯体)で実現できるもの。

そうではなく、その上で「どう暮らしていくか」というソフトな部分こそ、家づくりを行う前に考えてほしいことなのです。

 

普通って、普通じゃない

まずあなたに理解してほしいのは、住まいは日常のためにあるということ。

確かに、家づくりは人生において大きなイベントです。何かすごいことをしているように錯覚してしまうかもしれません。

でも、住まいは日常生活を営むための単なるうつわです。皆さんは日々の生活の中で毎日幸せを感じて暮らしていますか? 実際には、そんな人はほとんどいないのではないでしょうか。

朝、仕事に行って働いて、帰ってきてご飯を食べて寝る。なんのひねりもありませんが、あなたも私も、そういう日常を過ごしているはずです。ドラマに出てくるような波乱万丈な日々を送っている人はそうそういません。
大半の人がそのような日常生活を過ごして積み重ねて歳を取っていくのです。

でもよく考えてみてください。

世の中は平穏無事なことばかりではありませんが、衣食住が足りて、美味しいごはんやお酒を飲んで、酔っ払ったらあたたかい布団に行って眠れるなんて、それだけで豊かで恵まれていると思いませんか?

人生で目指すハードルの高さをどこに設定するかでも変わってきますが、普通じゃない世の中で普通の暮らしができるのは、全然普通じゃないのです。

 

小さな幸せを重ねて

前回のメルマガでもお伝えしましたが、日常に小さな幸せを感じられるようにすること。日々の生活を充実させていくことはとても大切です。

その中には意匠的な部分もあるでしょう。

奇をてらったデザインにする必要はありませんが、シンプルで心地よい雰囲気を生み出すトーンや素材感に心が動いたりほっとすることもあります。

他にも、灯りの当たり方で壁に貼ったタイルが素敵に見えたり、ふとお気に入りの家具に触れたときの手触りにグッときたり。

庭との関わりも同じです。

当然、虫も生息しやすくなりますし、お気に入りの草花が枯れたりもします。手入れにも多少は手間がかかります。

でも、視界に緑が入る豊かさもあれば、収穫の愉しみもあります。「花が咲いたな」とか「雨の季節が来たな」と、窓の外を見て胸を打つこともあるでしょう。庭や自然は、生活に潤いを与える、もっとも分かりやすい舞台装置でもあるのです。

私たちが暮らしている地方都市では、庭をつくれることに大きな意義があります。都心では敷地も狭く、自然を身近に感じるのは難しいものですが、私たちは、それが普通です。「いま」「ここ」にいるからこそ得られるものにも、目を向けてみましょう。

日常生活の中でそういう何気ない瞬間の「いいな」がたくさん得られたら、あなたの家づくりは成功です。

最初に書いたようにハードをしっかり造る事は大前提ですし、それは私たちがしっかりと取り組むべきこと。でもそのハードを生かすも殺すも、住まい手であるあなたの暮らしの工夫のさじ加減一つで決まってくるのです。そう、ソフトが大事なのです。

おだやかな毎日に、小さな抑揚をつけること。そこかしこに自分の「好き」をつくること。そうやって暮らしていくことを、ぜひ家づくりの最中にも少し意識してみてください。

P.S. 私たちの展示場も、小さな「好き」の積み重ねでできています。よろしければご覧くださいね。

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マルベリーハウス
桑原 人彦