Column 豊かさを彩るフォレストガーデン

2023.09.20

中古住宅のリフォームって いくらかけるべき?

中古住宅のリフォームって いくらかけるべき?

マルベリーハウス代表の桑原です。

ここ数回のブログでは、良質な住宅ストック(中古住宅)が残る世の中にしよう、というお話をさせていただきました。

▶︎住まいづくりの大局観

▶︎地域工務店のパーパス経営

端的に言うなら「将来的に地域の誰かが使えるように、みんなで高耐久かつ性能の高い家づくりをしましょう」ということでしたね。

ただ、住宅ストックの話をするなら、今すでにある中古住宅や、家族で住まわれている家はどうするの? ということにも触れておかなくてはなりません。

マルベリーハウスは、新築においては一定の性能・仕様基準を設けています。それは、前述のように高耐久で高性能、資産価値の残る住まいを実現するために必須だと思っているからです。

▶︎マルベリーハウスの性能・仕様ページ

ですが、中古住宅や持ち家のリフォームにおいて、同じように高性能なものを目指すべきかと問われると、「必ずしもそれが正しいとは限らない」と、我々はそんなふうに考えています。

 

そもそもリフォームの目的は?

中古住宅リノベやリフォームなどのお話になると、とかく大規模なものをイメージされる方が多いです。

弊社のように、高性能な家づくりをしている(と思われている)工務店にご相談に来られる方も、多くの場合、建物の高性能化を求めていらっしゃいます。

もちろん私たちも、既存の建物の高性能化・良質化ができるならばそれに越したことはないと思っています。

でも、すべての人が性能向上リフォームをしなければいけないかというと、そんなことはありません。

耐震や断熱など根本的な工事の優先順位は高くあるべきですが、床の張り替えや内装、お風呂やキッチン交換など、「できる範囲でやる」という選択肢があってもよいのです。

なぜなら、新築ではなくリフォームを検討する理由のひとつには当然「コスト削減」の意識があるからです。

ご年配の方ならば「あと10年住めればよい」というお考えでリフォームを希望されることもありますし、若年層でも「最低限の設備さえ整えてもらったら、あとは自分達で住みながら少しづつ手を入れていく」というスタイルもあります。

既存の建物の性能向上リフォームは、新築以上に難しくつくり手の知識や経験が必要です。また建物次第では新築以上にコストがかかる場合もあります。

それでは、予算を抑えたいという本来の思惑から、大きく外れてしまうことにもなりかねません。コスト削減を第一に考えてリフォームを検討しているならば、新築よりコストが掛かってしまうのは本末転倒ですよね。

リフォーム・リノベの考え方

良質な住宅ストックを増やす、という大義の中ではどうしても高性能なリフォームが推されます。新築の価格高騰も相まって、住宅メディアも「これからは性能向上リノベの時代」というような論調で情報発信をするようになりました。

だからと言って「すべて性能の高い建物に」というのは、それもまた我々のエゴ。押し付けてしまうのは、少しナンセンスだとも思うわけです。

もちろん、新築するなら高耐久で高性能な建物が大正義です。これは未来の地域社会のためでもありますが、住まい手自身が将来的に困らないための防衛手段でもあるから、国からも強く推奨されています。

しかし、新築と異なり、リフォーム・リノベに関しては、住まい手の思想や状況によって、どこまでお金をかけるかの判断基準は異なってよいと私は考えています。

誤解のないようにお伝えしておくと、つくり手である私たちは性能向上リノベーションの依頼がいつあってもいいように日々知識の向上に努めなければいけません。また、今回の「先進的窓リノベ」のように、性能向上にかかわる補助金等の情報にも常にアンテナを張っておくべきなのも、言うまでもないことです。

いずれにせよ、住まい手が求めている暮らしに対して、どの程度のコストでそれを実現するのか。そのあたりは依頼する工務店さんときちんとすり合わせをして決断いただければと思います。

一点、気をつけるべきなのは、長期間の居住を希望されていて性能向上リノベをお考えの方の場合、中古住宅の築年数や状態によっては新築のほうがおトクというケースもあるということ。

既存の住宅の場合、建物寿命も当然高性能な新築よりも短いわけですから、後年のメンテナンスに余計なコストがかかることも想定しておかなければなりません。

自分自身が、

① いつまで・どのように暮らしたいのか
② いくらくらいのコストでそれを実現したいのか

これらを明確にして、フラットな目線でコスト判断するようにしてください。

ちなみにマルベリーハウスは大小のリフォームやリノベーションの経験も豊富にある会社です。疑問や質問など、ぜひお気軽にご相談ください。

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桑原 人彦