Column 豊かさを彩るフォレストガーデン

2023.03.15

高性能だったらそれでいいのか?

高性能だったらそれでいいのか?

マルベリーハウス代表の桑原です。

今回は「住まいの本質」について、マルベリーハウスの考えをお伝えします。

もしあなたが家づくりを考えているなら、きっと「いい家がほしい」と思っているはずです。

それは「コスパがいい家」かもしれませんし、「デザインがいい家」かもしれませんが、「悪い家がほしい」と思っている人はいませんよね。

最近では断熱性能(UA値)や気密性能(C値)をはじめとした住宅性能や換気システムなどの設備についてご興味をお持ちの方も増えています。

工務店仲間と「家づくり相談室」を運営していることもあり、そこでもたくさんのご質問をいただきます。

最近ではYouTubeをはじめとしたSNSでもたくさんの情報が出ていますから、数年前に比べれば、ずいぶん家づくりを学びやすい環境になったなと思います。

一方で、情報が氾濫しているがゆえ、その弊害も出てきているなと個人的には感じている部分もあります。

以前のコラムでも、少し触れたことがあります。

コロナ禍で増えた「建築難民」の方々へ

情報が多すぎるために、かえって戸惑うのですね。

結果的に「●●システムだから安心」とか「●●断熱材じゃなきゃダメ」など、わかりやすい判断基準に頼りきりになってしまうわけです。

契約を取りたいがあまり、お客さまを騙すようなコミュニケーションをしてしまっている住宅業界が一番問題なのですが、過去の記事ではそのような現状についてもお伝えしているのでぜひご覧ください。

正確な情報を見分ける難しさ。

「長期優良住宅は意味がない」?

その『住宅相談所』って、本当に無料ですか?

 

 

もちろん、家づくりを学ぶこと自体はとても大切です。

断熱・気密や、耐震等級3、長期優良住宅の必要性などを判断するには、あなた自身も、そのことについて知っておくべきです。(今の世の中、そういう家づくりができていない住宅会社は論外です)

でも、勘違いしないでほしいのは、どれだけ家の性能を高めても、どんなにいい設備を取り入れても、それがあなたにとっての「いい家」になるとは限らないということ。

私たち工務店がつくっているのはあくまで「箱」です。それを「家」にしていくのは住まい手の役目。言うなれば、私たちのつくる家は、まだ片目が入っていない縁起だるまのようなもので、そこに目を描くのは住まい手であるあなた自身なのです。

住まい手がそこで永く暮らし、日々手を入れたり、生活の工夫を続けていくこと。100点満点の家というのは、住まい手がそこで幸せに暮らし続け、自ら加点していくことで初めて実現すると思うのです。

ですから、性能だけで住宅会社の良し悪しを判断するのではなく、その会社が提案している「暮らし」にもスポットライトを当ててみましょう。

 

例えばマルベリーハウスは、「自然」に寄り添うことで豊かな暮らしをしていただきたいと考えています。

 

それは、室内に自然素材をつかう、という話ではありません。住まい手の幸せな暮らしには「自然とのつながり」が大きな影響を与えると思っているから、私たちは庭づくりまで含めてご提案をしています。(それは小さなお庭でもいいのです)

「家庭」という熟語を読み解くと、その成り立ちは「家」と「庭」。幸せな家庭生活を日々営んでいくには「庭」が重要な役割を果たすと考えています。

ちょっと想像してみてください、あなたの暮らしに寄り添うお庭のことを。

 

私たちのモデルハウスのお庭はPermaculture(パーマカルチャー)の思想でつくられており、Edible Garden(エディブルガーデン、食べられる庭)」がコンセプト。小さな敷地にあふれるほどの花草木が息づいています。

イチジクやストロベリーツリーは、生食もできてコンポートや果実酒にもできるもの。ウッドフェンスには、ブドウやブラックベリー、キウイなど、収穫が楽しみな植物がつたっています。

 

ヤマボウシやシャシャンボはジャムなどの加工品。クロモジやアマチャはお茶の材料として使えます。

栄養価の高いヘーゼルナッツや、風邪や花粉症に効くエルダーフラワーや金柑。タイムやセージなどの抗菌・抗ウイルスの効能があるハーブのほか、私たちの名前にも使わせてもらっているマルベリーには豊富なビタミンCには美白効果があり、メラニンの生成を抑えてシミを防いでくれます。(マルベリーは葉っぱにも効能があり、食事で摂った糖質の分解を阻害して、食後血糖値の上昇を緩やかにもしてくれます)

 

ほかにも、火傷や切り傷に使えるアロエやチドメクサ、ヨモギ、ドクダミなど、住まい手の日常を助けてくれる自然由来のものたち。このようにお庭は、まるで薬箱のような「メディカルガーデン」にもなるのです。

…と、こんな風に暮らしを思い描くほうが、楽しい家づくりができると思いませんか?

住宅性能というのは、そういう暮らしの「土台」でしかありません。

SNSを眺めてみると「これがなかった」「これをあきらめた」「この性能に届かなかった」「住宅会社を信じてたのに…」など悲しい投稿が散見されます。

本来はポジティブな要素しかない家づくりがそのように「減点方式」になってしまっていることにも、住宅業界にいる者として非常に責任を感じます。

もっと家づくりを豊かなものに。そのような視点で、これからも情報をお伝えできたらと思います。

P.S 庭のある暮らしをイメージするには、私たちのモデルハウスのお庭をご覧いただくのが一番だと思います。ぜひお越しください。

マルベリーハウスのモデルハウス