Column 豊かさを彩るフォレストガーデン

2019.12.02

家は持続しなければなりません

家は持続しなければなりません

「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設が建てているのは、持続可能な家です。
長持ちして2世代、3世代と住み継がれる家にするため、長期優良住宅の基準を超える性能を実現しています。

 

●SDGsに賛同し、実現に取り組みます→詳しくはこちらから

 

一般の方も耐久性を重視しています
一般ユーザーが家づくりで重視するポイントについてアンケートなどで調査すると、多くのケースで耐久性を最も重視し、次いで耐震性断熱性の順であることがわかります。
私たちがお話しするお客様も、やはり長持ちすることを大切と考える方が多いと実感しています。
ところが、家を建てるプロである工務店は、2020年に予定されていた断熱性能の義務化の影響なのか(結果的には義務化は延期され2021年に断熱性能の説明が義務化されることになりました)断熱性能を一番に挙げ、次に耐震性をうたい、耐久性はその次くらいです。この傾向は、家づくりのために様々な工務店やハウスメーカー、そのほかの情報をチェックされている方なら、なんとなくお分かりになるでしょう。
つまり、家づくりを希望される方たちと工務店との間で意識のずれが生じています。
もちろん断熱性能や耐震性能も耐久性と同じく大切な性能です。私たちは断熱、耐震の両性能に優れた家づくりをしている自負はあります。

 

素材選びには理由があります
持続可能を大切にするMulberry Houseでは、家の部材、素材を選ぶときに「長持ちすること」を最も大事な基準にしています。
もちろん、家が長持ちするためには、耐久性の高い部材、素材を使う必要があります。
さらに言えば家づくりは断熱性能にしろ、耐震性能にしろ、耐久性にしろ、完成後に見えなくなる部分が最も重要です。その部分にこそ高耐久な部材、素材を使用し、そして施工の手間をかけるべきです。実際、私たちはそのような考えを持って施工しております。
もしかすると、他社はやらないことまで手間をかけてやっているのではないかと思います。それでも必要な手間であると私たちは考え、信念を持って施工しています。
完成後には見えなくなる部分ですので、住まい手の方には伝わりにくいのですが、「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設仕様の長期優良住宅は中身が違うと思っています。

当然、よい部材、素材は価格が少し高くなりますが、安心して長く住んでいただける家づくりのため、そこはご理解いただきたいと思います。安くてよい素材はありません。良いものは高くなります。ただ長期的に見ればコストパフォーマンスが優れていると思っています。

 

長持ちする素材選びの例1:外壁の内側に使う防水シート
見えない部分にこそ耐久性が高い素材を。その例として真っ先に挙げたいのは、透湿防水シートです。
透湿防水シートは、内装材や断熱材など何層かで構成する家の外壁のうち、屋外に近い側に使います。どの透湿防水シートも持つ一般的な性能としては、外からの水は通さず、内側からの湿気を通すという特徴があります。

この透湿防水シートは性能に目をつぶれば安価に済ませることもできる素材です。
逆を言えば性能も価格も商品によってかなりの差があるということです。
中には、新築から10年も経たずに劣化してしまい、外部の水が内側に浸透を始める製品もあります。なぜそうなるかというと防蟻防腐剤が注入された木材から界面活性剤が溶け出し、シートに影響を与えることが主な原因と考えられています。

Mulberry Houseでは、アメリカ製の「ウエザーメイトプラス」という高性能の透湿防水シートを標準で採用しています。
ウエザーメイトプラスは耐久性が非常に高く、引き裂き強度は一般的な透湿防水シートのほぼ2倍です。その他、防風性、気密性、防水性、透湿性、耐紫外線劣化に関しても高い性能を誇っています。また特に優れている点として、室内の湿気は外に逃がしますが、屋外の湿気は壁内に入れないという一方通行の透湿性能を持っていることが挙げられます。
この性能により壁内の夏場の逆転結露を防ぐことができます。

また細かい工夫もあります。ウエザーメイトプラスをホチキスのように壁に留め付ける「タッカー」に樹脂カバーが付いているため、万一、透湿防水シートの外側まで雨水が侵入した場合でも、タッカーの穴から水が染み込むことはまずありません。その他サッシ廻りの防水テープなどの純正品も高性能な商品を取り揃えています。

難点を挙げれば、やはり価格です。ウエザーメイトプラスは性能が高い分だけ国産品よりも価格が上がります。Mulberry Houseが手掛けるサイズの家では、1軒当たり約10数万円のコスト増になりますが、それだけの価値は十分にあると自信を持っています。
関心をお持ちの方には、ぜひお話をさせてください。

 

長持ちする素材選びの例2:屋根の防水シート
屋根に防水性能を持たせているのは、「ルーフィング」と呼ばれる1枚の防水シート(下葺き材)です。
このルーフィングも家が完成すると見えなくなります。それだけに、低品質のものを使って安価に済ませることができてしまう部分です。
これまで、信頼性が高いルーフィングとして使われてきたのがアスファルトを使ったゴムアスファルトルーフィングです。
ただ、ゴムアスファルトルーフィングは金属製の屋根との相性がよいとは言えません。というのも、ガルバリウム鋼板など金属製の屋根は夏の太陽に熱せられると、その温度が70度以上になることもあります。
すると、ゴムアスファルトが熱で変質してしまう恐れがあります。さらに、ルーフィングの下にある屋根の板(野路板)まで影響を受けてしまうかもしれません。
Mulberry Houseでは比較的品質の高いルーフライナー使用し、屋根の構造を2重構造として通気層を設け屋根防水も2重にすることで屋根の耐久性を考えてきました。

そんな時に知ったのが、アメリカ製の金属屋根専用のルーフィング、プロテクトタイト/プラティナです。非常に高い耐久性を実現していています。
価格はやはりルーフライナーより高いのですが、持続可能な家を提供するMulberry Houseにぴったりの高耐久素材。屋根の2重構造、防水は変えず2層目のルーフィングとして、次の家づくりからさっそくプロテクトタイト/プラティナを採用することにしました。

 

長持ちする素材選びの例3:雨樋(あまどい)
雨樋が変色した家を見たことがありませんか?
広く使われている塩化ビニールの雨樋は、日が当たる南側では10年ほどで色が変わり、塗装が必要になります。
そこで、塩化ビニールの代わりにガルバリウム鋼板製の雨樋を使えば、いつまでもキレイな外観を保つことができ、塗装の出費もありません。
雨樋の変色だけならまだしも、ボロボロに劣化してしまえば家に雨水が侵入する原因となりかねません。
多くの工務店が重視していないかもしれないポイントですが、Mulberry Houseでは初期費用が少し高くなってもタニタハウジングウェア製のガルバリウム鋼板の雨樋を使うようにしています。耐候性、デザイン性に優れた素材です。

 

小さなこと、そして日常をしっかり考える
持続可能な家づくり」「SDGsに賛同」といった大きな目標を実現するため、「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設は1つひとつの小さなこと、そして日常をしっかり考えます。今回ご紹介した素材選びも、ほんの1例です。
いくら高耐久な素材を選んでいてもそれを生かすも殺すもやはり施工精度が一番大事です。高耐久な素材のポテンシャルを引き出すためには普段から施工精度の向上に努め、完成後に見えなくなる部分の工事にも手を抜かず自信を持ってお施主様に引き渡せる家をつくる事が、日常を考えるという事だと思います。

「もっと知りたい」と思ってくださった方は、ぜひモデルハウスMulberry Houseへお越しください。
10年、20年、さらにその先の暮らし方を考えた家づくりのための取り組みを他にもご紹介しています。
 

 

《プロフィール》
代表取締役 一級建築士
桑原 人彦
江戸時代から続く大工の家系に生まれ、設計事務所での勤務経験を経て、父親から桑原建設を継承。創業以来50年以上に渡って約700棟の家づくりに携わった経験を生かし、打ち合わせから設計、施工監理までワンストップで対応。(一社)静岡木の家ネットワークの代表理事も務める。