Column | 豊かさを彩るフォレストガーデン |
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2019.10.04
「目に見えない価値」を感じられる豊かな心を育む家づくり、暮らしの提案をするために。
「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設はSDGs(持続可能な開発目標)に賛同し、建築を通じてその実現に取り組みます。
■17隻のヨット
ニューヨークで2019年9月に開かれた国連気候行動サミット。「あなた方は、私の夢や私の子供時代を、空っぽな言葉で奪った」と各国首脳を批判したスウェーデンの気候活動家グレタ・トゥーンベリさんが注目を集めました。
彼女がサミット参加のためヨットで大西洋を横断しニューヨーク港に到着する際、国連は17隻のヨットを送って出迎えました。その17隻がそれぞれ象徴していたのが、SDGsが掲げる17の持続可能な開発目標でした。
★十代の活動家グレタ・トゥーンベリさん、ヨットでニューヨークに到着 「気候危機」に注目を集める(国際連合広報センター)
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/34490/
■SDGsとは
SDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)とは、持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するための国際目標です。2015年9月の国連サミットで採択されました。期間は2016年から2030年までの15年間です。
持続可能な世界を実現するための17の開発目標(ゴール)が設定され、その下に169のターゲットが決められています。
SDGsは先進国から発展途上国まですべての国が行動する普遍的な目標です。また、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓った包摂的な目標でもあります。
2019年9月にニューヨークの国連本部で開かれた「SDGサミット2019」は、これまでの4年間の取り組みを首脳レベルでレビューしました。
★JAPAN SDGs Action Platform
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
■すべての人たちが主体的に取り組む目標です
SDGsは政府・行政の努力だけで実現を目指すのではなく、企業やNPOなども含めたすべての人たちが主体的に取り組む目標とされています。
■達成にはシステムの大転換が必要
SDGsの達成は大変なことです。17の目標・169のターゲットの一部ではなく、すべてに取り組まなければならないからです。
実現には生産から消費まで、あらゆるシステムの大転換が必要と言われています。
■Mulberry Houseの特徴を活かせる7つの優先課題
民間企業も17目標、169ターゲットを視野に入れておく必要はあるでしょう。
その上で、誰もができることから取り組める身近な目標としてSDGsに賛同するMulberry Houseは、家づくりを通して取り組める優先課題を7つ選びました。項目の左にあるのは、SDGs開発目標(ゴール)の番号です。
2)飢餓をゼロに
3)すべての人に健康と福祉を
4)質の高い教育をみんなに
8)働きがいも経済成長も
11)住み続けられるまちづくりを
13)気候変動に具体的な対策を
17)パートナーシップで目標を達成しよう
それぞれのSDGs開発目標(ゴール)に対応したMulberry Houseの宣言は、次の通りです。
2)家族が揃って楽しい食事ができる住まいの器をつくります。
3)居住空間での快適性能を元に、温度のバリアフリーを実現します。
4)お客様や職人、そして同業者とのつながりで学びの時間が楽しくなる場の提供をします。
8)地元の人が、適正価格で地元の物を買う”地域循環”を楽しむライフスタイルを提案します。
11)住まう地域の隣の近所の人たちと、つながりを持って楽しいコミュニティーをつくります。
13)天竜杉・桧をはじめとした国産材を中心に、自然素材や自然エネルギーの積極的な利活用をし続けます。
17)住まいや職場で関わる人同士に対して、目的を共有して他者(他社)のことも考えた行動をしていきます。
2019年8月にららぽーと磐田で開かれた「SDGs工務店と共に造る持続可能な家づくり展」では、これらの宣言やMulberry Houseの考えをご紹介しました。
■10年、20年、その先を考えています
「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設は、10年、20年、さらにその先の暮らし方を考えた家づくりをしています。家も暮らしも「持続可能」にするのは当然のこと。取り組みの一環として地元天竜の杉・桧や国産材を活用し、室内の空気を良質にする自然素材を使っています。その結果としてもたらされる空間の快適さをモデルハウスMulberryHouseで目に見える形で体感していただいています。
■他者(他社)のことも考えた行動
さらにもう一歩。
個々の家づくりの取り組みを、地域環境づくりにつなげるためには、自社のことだけでなく、他社のことも考える姿勢が大切です。
例えば、地元の人が地元のモノを買って使えば、雇用の機会が生まれ流通の活性に貢献できます。地産地消ではなく地産地商の精神が大事なのです。地域でお金、人、物が循環する社会の実現を目指すべきなのです。
■楽しいコミュニティーをつくります
地域の人々とのコミュニティーづくりに参加することは、未来の社会づくりのベースです。数多くの人が携わる家づくりのしくみを活用し、同じ想いの人たちが繋がり循環するよう働きかけることが工務店の新たな、そして本来の役割なのです。
■一緒に味わってほしいもの
「真の豊かさ」は一人一人の心が感じるものです。建築を通じて、今を精一杯生きながら未来の楽しい生活をおおらかに描く体験を、一緒に味わっていただける方が増えることを願っています。
《プロフィール》
代表取締役 一級建築士
桑原 人彦
江戸時代から続く大工の家系に生まれ、設計事務所での勤務経験を経て、父親から桑原建設を継承。創業以来50年以上に渡って約700棟の家づくりに携わった経験を生かし、打ち合わせから設計、施工監理までワンストップで対応。(一社)静岡木の家ネットワークの代表理事も務める