前回に引き続き、諸外国と日本との窓レベルの差についてお話しさせていただきます。
一体なぜこのように、日本と海外で差が開いてしまったのか…。
その最大の原因は、すでに判明しています。それは、
“日本にはU値(熱貫流率)の最低基準がないこと”
U値とは、部材の熱の通りやすさのこと。外壁や天井など、各部位の断熱性能を数的に表したものです。
日本では、住宅の省エネ対策が加速するよう整備は進められています。
しかし、諸外国のような強制的な法規制が決まっていないことから、最低基準が定められておらず、省エネ対策の面で遅れをとっているのです。
諸外国ではエネルギーの効率化を図るためにも、この基準を強制的に法制化しています。
それに対し、日本は今後もエネルギー消費の大幅増を規制する計画は話し合われていない様子。
その結果、諸外国との差がみるみるうちに開いてしまっているのが現状です。
では、実際の窓のU値はどの程度が理想的なのかを、以下の2つの観点から見てみましょう。
①窓の表面温度
②健康で快適な温湿度を保っても結露させないという条件
まず①について。ドイツのパッシブハウス研究所では「窓全体の表面平均温度は17℃以上」という目安が提示されています。
室温20℃、外気温0℃の場合、窓全体のU値が1.15程度なくてはこの温度には達しないというデータがあります。
そして②の観点からいくと、前述のパッシブハウス研究所の目安に、「室内の相対湿度50%程度」という条件が加わります。
窓は主に、『窓枠、障子、窓ガラス』の3つで構成されています。
意外と知られていないのが、「障子」。障子とは、窓ガラスの周囲の枠のことです。
この障子の種類によって、家の断熱性や結露のしやすさが大きく変わってきます。
この障子(窓枠)については、また改めて詳しくお話しさせていただきますね♪