works 施工事例

比翼の家

比翼の家

築後40年ほど経った住まいをリノベーションした案件です。断熱部分強化と、ダイニング・和室・寝室・水回りを重点的に改修しました。お施主さまがずっと大事にされてきた調度品や、当時の職人さんの気概を感じる造作建具など、「古きよきもの」とリノベーションで新調したものが調和し、子供が独立し夫婦二人で生活するための居心地のよい空間が生まれ変わりました。


PICKUP

リビングとキッチンをゆるやかにゾーニングしている縦格子は、既存の筋交が入っています。それをカモフラージュして、視線も抜けるように工夫しています。

テレビボードとリビング収納は今回新たに大工さんの手により造りました。樹種は、上品な柾目の木目が出るタモ材を選んでいます。

水回りをリビング側、IHを壁付けしたⅡ型のキッチン。天井の丸太の梁は、以前は天井に隠れていたものを化粧材としてそのまま活かしました。

夫婦ふたりでちょうどよい大きさのダイニングとキッチン。ご夫婦は当初より丸テーブルでの団欒をイメージされておりましたので、設計上もそのように配慮し、空間にフィットするサイズ感のダイニングテーブルをチョイスしています。

キッチンのサブウェイタイルは奥さまのリクエスト。キッチンのペンダントライトは、主張しすぎず、かつアクセントになるものを弊社より提案させていただきました。

玄関廊下は、床の張替え、塗壁施工、ニッチ製作を行いました。下駄箱や玄関タイルなどは既存のものを活かしています。
古いところと新しいところが共存していますが、違和感なく均衡が取れるようバランスを考えて設計しています。ほぼ新築のようなフルリノベもよいですが、今あるものを活かしつつリノベーションを行うのも選択肢のひとつです。

一部建具は、既存のものとの調和も意識しつつ、新たにデザインしています。

以前は子ども部屋として使われていた1階の一部屋を寝室に変更。ご夫婦の寝室は2階にありましたが、お子さまも巣立ち、生活を1階で完結させたいとのご要望でした。

寝室の工事は、床と壁の張り替えに留めています。タイルになっている一面や天井は、あえていじっていません。
ベッドやドレッサーなど、お施主さまのセンスがよいため、レトロな空間と相まってたいへん雰囲気があります。
全部新しくすることだけがリノベーションではなく、元々あるものを活かすことにも面白さがある。そう思えます。

二間続きの和室はあったものの、リビングはなかった既存の住まい。キッチンに近いほうの和室をリビングに変更しています。残した和室は、以前は絵が描かれていた襖を無地の和紙で貼り替え、現代風でシンプルな印象になるよう調整しています。

こちらのリノベーションは、既存の部分との取り合いや、新旧入り混じるところをどう調和させていくかがテーマでした。「持っているもの、好きなものをずっと使う」という、お施主さまの感性も素晴らしく、また暮らしのビジョンも明確にお持ちでしたので、そういった部分にも助けられ、いい住まいになったと感じています。