「木」が登場することわざを紹介するシリーズ。今回は、ことわざから離れて四字熟語「適材適所(てきざいてきしょ)」をご紹介します。
その人の能力や適性を考え、その人をふさわしい地位や仕事につけること、という意味で使われる「適材適所」。もとは、木材を適切な場所に使うことの大切さを表す言葉でした。
家を建てる大工さんは昔から、どのような木をどの場所に使えばよいかを考えてきました。例えば、土台には腐りにくいヒノキやクリ、ヒバを。柱には木目がきれいなスギやヒノキ。梁(はり)には丈夫なマツといった具合です。
古代建築の技術の復興に貢献した宮大工の西岡常一氏(1908~1995)は、棟梁の役割について、「木のクセを見抜いて、それを適材適所に使う」ことだと著書に記しています。
もっと昔の日本書紀(720年)には、このようなことが書かれています。スサノオノミコトがひげを抜いてまくと、スギになった。胸毛を抜いてまくと、ヒノキになった。しりの毛はマキに、まゆ毛はクスノキになった。そして、スサノオノミコトは、「スギとクスノキは舟をつくる木によい。ヒノキは宮をつくる木によい。マキは棺をつくる木によい」と教えたそうです。
日本人は、古来から「適材適所」の大切さを知っていたんですね。
◇主な参考資料◇
奈良県地域材認証センター
「大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント」 白鳥美子(マイナビ新書)
「時代を切り開いた世界の10人 第2期 第5巻 西岡常一」(学研プラス)
「木に学べ―法隆寺・薬師寺の美 」西岡常一(小学館)
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