Column | 豊かさを彩るフォレストガーデン |
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2017.05.18
「百花蜜」を知っていますか?
百の花の味がする、様々な花の蜜がブレンドされたハチミツのことです。
ブレンドといっても、人間が混ぜ合わせたわけではありません。
百花蜜をつくり出すのは、ニホンミツバチです。
ニホンミツバチは、複数の種類の花から蜜を集めます。そのため、さまざまな蜜の特徴が重なり合い、濃厚でコクのある味になり、香りも豊かになります。また、栄養もたっぷりと含まれています。
味や香りは、ニホンミツバチが活動する場所や季節によって変化します。
これに対し、セイヨウミツバチは、1種類の花から蜜を採取します。そのため、出来上がるハチミツは、レンゲの蜜の味、アカシアの蜜の味というようにハッキリとします。
豊かなコク、香りを楽しめるニホンミツバチの「百花蜜」。もっと普及してもよいと思うのですが、一般のお店で売られているハチミツは、ほとんどがセイヨウミツバチのハチミツです。
これには訳があります。
採蜜や受粉を目的に家畜化された歴史を持つセイヨウミツバチに比べ、在来種のニホンミツバチは、ハチミツの採取量が少ないのです。また、“迷いバチ”になったり、逃げてしまったりすることも多いそうです。そのような訳で、養蜂されるハチのほとんどをセイヨウミツバチが占めています。