Column | 豊かさを彩るフォレストガーデン |
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2018.11.30
「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設も参加する「静岡ストックハウス流通促進協議会」の目的の1つは、中古住宅市場の活性化です。
良質の中古住宅が市場で適正に評価され、家を探している方たちが安心して比較・選択・購入できる環境を目指します。
■中古車より進んでいない“見える化”
中古車を探した経験をお持ちの方ならわかると思います。中古車市場では、商品に関する様々な情報がオープンになっています。
例えば、型式、年式、走行距離、補修履歴など。
消費者は情報をもとに購入する価値があるかどうか、安心して乗れる車かどうかを判断できます。
ところが、中古住宅市場で手に入るのは、住宅の築年数や住宅メーカー名、施工会社名くらいです。
■情報が少なければ買い手は不安に
これでは、家の品質やメンテナンスの具合がわからず、買い手が不安になっても仕方ありません。
結果として、中古住宅を購入するという選択肢は新築注文住宅や建売住宅、新築マンション購入などと比べて消極的な選択肢となっています。
こうして中古住宅市場が停滞することで、問題となっている空き家の増加にもなかなか有効策がない状況です。
■住宅性能表示制度の積極活用を
そこで、中古住宅の情報公開が必要になります。
例えば、静岡ストックハウス流通促進協議会では“住まいの証明書”である住宅性能表示制度の積極的な活用を呼びかけています。
住宅の耐久性やメンテナンス性など性能の良し悪しを比較できる情報を提供することで、住宅の品質・性能を重視する買い手にアピールできるようになります。
■インスペクションを推奨します
また、協議会は住宅の専門家によるインスペクション(住宅診断)を推奨しています。
インスペクションは中古住宅がどのように管理されてきたか、つまり維持管理の履歴を明確にしてくれます。
■これからは長期優良住宅の中古物件が市場に
2009年にスタートした長期優良住宅制度では、住宅履歴情報の保存が義務付けられています。
これから中古住宅市場で増えると予想される長期優良住宅は、履歴の確かさも魅力の1つでしょう。
■住まいを円滑に循環させたい
これらの制度を活用するとともに、静岡ストックハウス流通促進協議会では保険・保証などを含む詳細な情報を公開し、中古住宅を安心して売ったり買ったりできる市場を生み出すことを目指しています。
そして、住まいや資金を円滑に循環させることで、“眠れるストック”である空き家を市場に登場させ、有効に利用できるようにしたいと考えています。
☆静岡ストックハウス流通促進協議会
中古住宅を売りたい、買いたい、リフォームしたい…といったニーズにワンストップでこたえるために発足。
「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設の桑原人彦も副委員長として参加しています。
同協議会は国土交通省の2017年度「住宅ストック維持・向上促進事業」の対象事業です。
《プロフィール》
代表取締役 一級建築士
桑原 人彦
江戸時代から続く大工の家系に生まれ、設計事務所での勤務経験を経て、父親から桑原建設を継承。創業以来50年以上に渡って約700棟の家づくりに携わった経験を生かし、打ち合わせから設計、施工監理までワンストップで対応。(一社)静岡木の家ネットワークの代表理事も務める。