2026.10.1
建物寿命を延ばす定期点検とメンテナンス
家は、多くの方にとって人生で最も大きな買い物です。
だからこそ、「丈夫な家を建てたい」「できるだけ長持ちする家にしたい」と考えるのは当然のことでしょう。
しかし、どれほど高性能な住宅であっても、建てたまま何もしなくても何十年も快適に暮らせるわけではありません。
人が健康診断を受けるように、住宅にも定期的な点検と適切なメンテナンスが必要です。小さな不具合を早めに見つけ、適切なタイミングで修繕することが、住宅の寿命を大きく左右します。
今回は、マルベリーハウスが考える「長く住み継ぐ家」のためのメンテナンスについてご紹介します。
長持ちする家ほど「維持管理」が重要になる
「耐久性の高い家だから、メンテナンスは必要ない。」
そう思われる方もいらっしゃいますが、実際はその逆です。
耐久性の高い住宅ほど、適切な維持管理を続けることで、本来の性能を何十年にもわたって発揮し続けることができます。
例えば、高耐久の外壁材や屋根材を採用していても、シーリング材の劣化や小さなひび割れを放置すれば、そこから雨水が侵入し、住宅の構造部分にまでダメージを与えてしまう可能性があります。
つまり、良い材料を選ぶことは「長持ちする可能性」を高めることに過ぎません。
その性能を活かし続けるためには、適切なタイミングで点検し、必要な手入れを行うことが不可欠なのです。
「経年変化」と「経年劣化」は違う
住宅の変化には、大きく分けて二つあります。
一つは「経年変化」、もう一つは「経年劣化」です。
この二つは似ているようで、まったく意味が異なります。
経年変化とは、自然素材ならではの味わいのこと。
マルベリーハウスでは、構造材に天然乾燥した天竜材の無垢材を使用しています。木は生きた素材であり、湿度や気温の変化に合わせて呼吸をしています。
そのため、新築から最初の1~2年ほどは、乾燥によって木が少し収縮したり、逆に湿気を含んで膨張したりすることがあります。
その影響で、
・建具の開閉が少し重くなる
・わずかな隙間ができる
・木がわずかに反る
といった現象が起こることがあります。
これは住宅の不具合ではなく、無垢材ならではの自然な変化です。
私たちは定期点検の際にこうした部分を細かく調整し、住み心地を整えています。
経年劣化は早めの対処が大切
一方で、設備や建材は年月とともに少しずつ劣化していきます。
例えば、
・パッキン
・水栓部品
・シーリング材
・防水層
・外壁塗装
などには、それぞれ耐用年数があります。
使用環境によって前後しますが、多くは10年前後から徐々に劣化が始まります。
また、給湯器や換気設備などの住宅設備にも寿命があります。使用状況によって異なりますが、一般的には10〜15年前後で交換や更新を検討する時期を迎えます。
建物だけでなく設備も含めて計画的にメンテナンスを行うことで、安心・快適な暮らしを長く維持することができます。
こうした劣化を放置すると、小さな傷みが大きな修繕工事へ発展してしまうことも少なくありません。
だからこそ、定期点検によって早期発見・早期対応を行うことが、結果的に住宅を長持ちさせ、将来のメンテナンス費用を抑えることにもつながります。
特に注意したいのは「水まわり」
住宅のメンテナンスで特に気を付けたいのが、水まわりです。
水漏れは、目に見えないところで静かに進行することが多く、気付いた頃には床や下地まで傷んでしまっているケースもあります。
例えば、キッチンや洗面化粧台のシャワー水栓。
蛇腹ホースを収納するタイプでは、内部に設けられた受け皿へ水が溜まり続けたり、パッキンの劣化によって少しずつ漏水したりすることがあります。
普段は収納の中を見る機会が少ないため、異変に気付きにくい場所でもあります。
設置から7〜8年ほど経過したら、収納内部や配管まわりを定期的に確認する習慣を付けるだけでも、大きなトラブルを防ぐことができます。
雨漏りは家の寿命を大きく縮める
住宅にとって最も深刻な劣化の一つが雨漏りです。
「天井から水が落ちてくる状態」だけが雨漏りではありません。
実際には、外壁のシーリング材や塗膜の劣化、屋根材の傷みなどから少しずつ雨水が浸入し、見えない場所で構造材を傷めていることもあります。
特に、
・外壁のシーリングが切れている
・外壁にひび割れがある
・塗装の色あせやチョーキングが見られる
・ベランダ防水に傷みがある
こうした症状は、メンテナンスのサインです。
外壁塗装や防水工事は決して安い工事ではありませんが、本来の目的は「家をきれいに見せること」ではなく、「住宅を雨水から守ること」です。
必要なタイミングで適切な補修を行うことで、大掛かりな修繕を防ぎ、住宅全体の寿命を延ばすことができます。
特に屋根は普段目にする機会が少ないため、傷みが進んでいても気付きにくい場所です。強風や台風の後などには、瓦や板金の浮き、棟部分の異常なども定期的に確認しておくと安心です。
定期点検は「安心」を積み重ねる時間
マルベリーハウスでは、住宅のお引き渡し後も、
・半年
・1年
・3年
・5年
・7年
・10年…
といった節目ごとに定期点検を実施しています。これは単に保証期間のためではありません。
経年変化が起こりやすい時期、設備が劣化し始める時期、防水性能の確認が必要になる時期など、それぞれのタイミングに合わせて適切な点検を行うためです。
もちろん、定期点検の日だけがサポートではありません。
「ドアの閉まりが少し悪くなった」
「水栓から少し水漏れしている気がする」
「外壁が気になる」
そんな小さなことでも、お気軽にご相談いただける体制を整えています。
住まいは毎日使うものだからこそ、小さな変化をそのままにしないことが大切です。
また定期点検では、その時々の状態を確認するだけでなく、どのような点検や補修を行ったかという「住まいの履歴」を残していくことも大切です。
適切な記録を積み重ねることで、将来のメンテナンス計画も立てやすくなり、住まいを次の世代へ引き継ぐ際にも安心につながります。
家づくりは完成してからが本当のお付き合い
住宅会社の役割は、家を完成させることではありません。
完成したその日から、お客様との本当のお付き合いが始まると私たちは考えています。
長く住み続ける家だからこそ、困った時にすぐ相談できる。
必要な時期に適切なメンテナンスを提案してもらえる。
住宅の状態を一緒に見守ってくれる。
そんな身近な存在であり続けたいと思っています。
建物は年月とともに少しずつ変化します。
しかし、その変化を理解し、適切に手を掛けていけば、住宅は何十年にもわたって家族を守り続けてくれます。
定期点検は「家を長持ちさせるための資産管理」
高性能な住宅であっても、定期的な点検やメンテナンスを行わなければ、本来の性能を長く維持することはできません。
無垢材ならではの経年変化を見守りながら、設備や防水などの経年劣化には早めに対応すること。そして、小さな不具合のうちに適切な修繕を行うことが、住まいの寿命を延ばし、将来の大きな修繕費用を抑えることにもつながります。
マルベリーハウスでは、「家は建てて終わりではなく、建ててからが本当のお付き合い」という考えのもと、定期点検やアフターメンテナンスを大切にしています。
お客様が安心して何十年先まで暮らし続けられるよう、住まいの変化をともに見守り、必要なサポートを続けていくこと。それもまた、地域の工務店として果たすべき大切な役割だと考えています。
地域で長く家づくりを続けてきた私たちだからこそ、お引き渡し後もすぐに駆け付けられる距離で、お客様の住まいを見守り続けたいと考えています。
住まい手ができる日々のお手入れについては、以下のコラムでも詳しくお伝えしています。ぜひチェックしてみてください。


