Column 豊かさを彩るフォレストガーデン

2017.08.08

【耐震等級3】は必須です

「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設の家は、全棟が【耐震等級3】です。

家族の命と財産を守る家は、【耐震等級3】の評価を受けなくてはならない、と考えているからです。

 

コラム1-1

 

■熊本地震で被害がきわめて少なかった【耐震等級3】

2016年の熊本地震では、前震と本震あわせて2回の震度7が観測され、建物に大きな被害が出ました。

しかし、【耐震等級3】の家は、被害がないか、あったとしても一部破損・半壊でした。倒壊・全壊・大規模半壊はありませんでした。

これは、日本建築学会九州支部が、被災地の益城町中心部ですべての建物を調査した結果、わかったことです。

 

■旧耐震基準の住宅で目立った被害

調査では、1981年施行の【新耐震基準】より前の【旧耐震基準】で建てられた家の被害の多さ・大きさが顕著でした。

 

■【2000年基準】は倒壊・崩壊の防止には有効

一方、新耐震基準に接合部等の基準が具体的に定められた【2000年基準】の建物は、2000年以前の建物よりも被害が少ないことが明らかになりました。2000年基準の住宅でもごくわずかに倒壊・全壊した家がありましたが、これらは接合部の施工が不十分だったり、敷地が崩壊したりしたケースが多くありました。

 

■2000年基準相当が【耐震等級1】

この【2000年基準】相当の家の耐震性能レベルが【耐震等級1】です。

耐震等級は、地震に対する構造躯体(こうぞうくたい)の倒壊、崩壊のしにくさを表します。国が定める住宅性能表示制度に基づいて示されます。

構造躯体とは、住宅に加わる力に耐えている部分を指します。柱や梁(はり)、壁や筋交いなどのことです。

 

【耐震等級1】の住宅は、「極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力」に対して倒壊、崩壊等しないことが求められます。

これは、地震後もそのまま住み続けられるという意味ではありません。人命が損なわれるような壊れ方をしない、つまり、人が逃げる間もなく潰れてしまったりしない程度、ということです。

 

■【耐震等級1】の1.5倍が【耐震等級3】

【耐震等級3】は、「極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力」の 1.5 倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度とされています。

国土交通省では、防災拠点となる施設(学校や官公庁施設など)について、地震力を1.25 倍又は 1.5 倍に割り増し、より安全な設計をする方針を定めています。

そのため、【耐震等級3】の住宅は、防災拠点なみの厳しい基準をクリアしていると言ってもよいでしょう。

 

コラム1-2

 

■従来の耐震性の考え方は、熊本地震で崩れた

熊本地震以前に求められていた耐震性は、地震が起きたときに住人に逃げる余裕を与え、最低限、命は救うというものでした。

しかし、2016年に熊本で2度の震度7が起きたことで、その概念は崩れた…。「Mulberry House(マルベリーハウス)」桑原建設 代表取締役・桑原人彦はそう考えています。

なぜなら、現地を視察した際、倒壊してしまった建物の横また近隣で、ほぼ無傷でそのまま生活ができる建物が幾つもある事を自分の目で確かめてきたからです。

かたや全壊、かたや無傷。家を作る側として考えさせられた光景でした。

私たちはお施主様の命はもちろん、生活も守らなければならないのだと感じました。

 

無傷であった建物の多くは、耐震等級2もしくは3の建物であった事を鑑みると、私たちつくり手は、より頑強な耐震等級3の建物を作るべきだと改めて強く思いますし、それはつくり手としての責務であると思います。

確かに建築コストは上がりますが、それを理由に取り組まないのは、つくり手としての責任放棄に近いと思います。お施主様にきっちり説明し、ご納得して頂き、絶対取り組むべきであると私は考えます。